およそ1ヶ月ぶりの、ささやかながらも恵みの雨

タイトルの通り、梅雨明けから一ヶ月もの間、雨らしい雨が一切降りませんでしが、本日ようやく、しとしととやさしい雨が少しばかり降りました。ひとまずほっと一安心です。

それまでの畑はまるで砂浜のようで、作物が気持ちよく育つ環境とはほど遠いありさま。
朝4時半に起き、涼しさが少しでも残る早朝のうちに株元に水やりをする日々が続きました。


この連日の猛暑の中、日差しと砂の照り返しの強い畑にいるだけで、まるでシャワーを浴びているかのように、汗が止めどなく吹き出ます。日焼けをしないよう顔を覆っているので、さらに熱がこもって本当にきついです。


さとうきび栽培を始めた頃は、お昼くらいまでは畑で作業ができていたのですが、ここ何年か、特に今年は、体力が落ちているのもあってか9時10時までが限界。


炎天下での農作業は年々過酷になってきているので、なるべく梅雨明けまでにやるべきことは全て済ませ、真夏の作業はできるだけ短時間で済むように計画を立てています。

私たちが育てているさとうきびは、高温はもちろん乾燥にも強いとされています。

乾燥に耐性があるのは事実ですが、だからといって、決して水を必要としないわけではありません。むしろ、豊富な水があったほうが、たくさんある葉っぱを最大限に活かして光合成を盛んに行うことができます。


真夏の高温下で、雨が少ない、もしくは降らないとなると、さとうきびにとって一番の成長の機会を奪われることになります。

その肝心要の恵みの雨が、今年は全く降らないのですから、雨の代わりに人為的に水やりを頑張るほかありません。

灌水チューブが設置された大きな畑では、蛇口をひねるだけで水を供給できるのですが、小さな畑では水管がないため、タンクに水を汲み、ポンプとホースを使ってせっせと水を撒くことになります。

とはいっても一度に与えられる水の量は500リットルと限りがあります。株元めがけてピンポイントで与えたとしても微々たる量。
2日や3日に分けてちまちま散水するしかありません。


水の量やタイミングを考えながら、さとうきびの根に少しでも水分が届くように…。

このように、しばらくは水やりをして何とかしのいでいましたが、8月上旬、38度近くの高温と熱風が2、3日続いたとき、さすがのさとうきびもちょっとだれた様子で、葉の色がうすれ、葉の先端も一部枯れてしまいました。株元に一番近い下の葉もいつもより多く枯れている印象です。

そしてお盆後半にきて、まさかのエンジンポンプ、故障の事態。
やむなくジョウロに水を汲み、さとうきびとタンクを行ったり来たりと、いつもの倍以上の時間をかけて水やりをする羽目になりました。


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梅雨明けまでは、いつにも増して順調だった小さな畑のさとうきびたち。この一ヶ月間、雨が全く降らない事態に見舞われたために、結果として現在、例年と比べてかなり成長が鈍化しています。水やりの効果も限定的です。

沖縄での旱魃の際に、本当に上の方の葉だけが生きていて、他の部分は枯れ上がってしまっている様子を見ますが、あそこまでの姿となると、さとうきびにとってはかなり悲惨で望まない環境下であるはず。

たとえさとうきびが大好きな高温が続いても、雨に恵まれなければ意味がありません。
本当に、雨の大切さを改めて実感した1ヶ月となりました。

今後は一転して暑さも和らぎ、天気予報は雨マークが並んでいます。成長の巻き返しがどこまであるのかといったところです。

でも、このまま、たとえ大きく太くはならなくても、収量が減ったとしても、まだ希望はあります。
別の理由でそこまで大きくならなかった2年目のさとうきびから、今までで一番豊かな風味と結晶の力の強い上質な含蜜糖ができた、という実績があるからです。


さとうきびを信じ、このまま温かく見守っていきたいと思います。
自然の厳しさと、それでもその中で育つさとうきびの力強さを感じながら。