食品を選ぶうえで大切にしていること❶

どんな食材でもいい面と悪い面を持ち合わせています。健康に良いからといって食べすぎてよいものもおそらくありません。ヒトの体は自然と同じ絶妙なバランスのうえに成り立っていますが、そのバランスも人それぞれ異なります。

加工品がスーパーの大半を占めている現代においては、必然的に食品添加物もあわせて摂取することになります。添加物が入っていない加工品自体、非常にレアだからです。
添加物に関しては、全く気にせず平気な人もいれば、体が反応をしてしまう人もいます。意識して控えている人も多いかと思います。あるいはなんとなくというかたも。

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わたしはかつて、潰瘍性大腸炎という病気にかかりました。
寛解するまでの間はかなりの食事制限で、刺激のあるものもしばらく食べられなくなりました。添加物に関しても、直接的な影響はないとされてはいるものの、かなり気にするようになりました。


買い物に行く度に原材料表示をひとつひとつひたすら確認。
お店の滞在時間も異常に長く、はっきりいってかなりの不審者だったと思います。

結局、過度に気にしすぎてどうなったかというと、買えるものがほとんどなくなってしまいました。
野菜にしても、見た目だけではどのようにつくられたかまではわかりませんし、いろんなことを考えすぎてかなり神経質になっていたと思います。


これでは本末転倒だと気づいてから、気にしすぎることはいったんやめにしました。病気の間はできるだけ自炊をし、加工品を買う場合はなるべくシンプルな構成のものを心がけるといった程度に。

健康になったいまでも原材料表示は必ずチェックしますが、買うか買わないかはそこだけでは判断しません。総合的に考えて自分が納得したものを選択しています。


その時欲しいもの、食べたいものがある場合は迷わず優先します。ジャンクフードと呼ばれるお菓子なども、そういうものを食べているという自覚のもとに割り切って適量楽しんでいます。
少なくとも、私はそういうスタンスです。何事も突き詰めすぎると逆にストレスになってしまいます。

また、食品や添加物に対する知識と経験値を持っておき、情報に流されないようにしています。

実は、潰瘍性大腸炎にかかるずっと前から、お腹が人一倍敏感な体質で、それは今でも変わりません。
同じ食事をしても、わたしだけお腹を壊したり調子が悪くなったりします。だからこそ、日ごろから自分なりのものさしをとても大切にしています。

自分の体は自分にしかわかりません。食品に対する趣味嗜好や考え方も人それぞれです。
自分の体や考えに合ったものをバランスよくストレスなく上手に取り入れて、思考も食生活も過度に偏らないことが健康的なのかなとつくづく感じています。現に自分のものさしで取捨選択するようになってからはお腹を壊すこともかなり減り、潰瘍性大腸炎の再発もいまのところありません。

食品加工のメーカー側にしても、メーカーの考えや想いがあってその商品をつくっています。たいていのメーカーは、食品を提供するためにいろいろなことへの折り合いをつけながら、そのなかでベストなものをつくっています。

原材料表示は、いわばメーカーからのメッセージ。
原材料表示からメーカーの想いやスタンスをくみとり、自分なりの基準と一致したものを選択すれば良いのではないでしょうか。


現在は、思いがけず食品のつくり手の立場となりましたが、わたしなりの食品に対する考え方はそのまま商品に反映されています。

自分があのとき食品に対して抱いた不安や疑問を、自分がつくる商品にはやっぱり感じてほしくはないからです

たとえば、素材の風味はそのままに、極力シンプルであることもそのうちのひとつ。
食の安心安全は、なかなか目には見えないものだからこそ、原材料がシンプルでわかりやすい、というのはひとつの安心材料になるのではないかと考えています。

これは、消費者生産者、どちらの立場であっても、安心して食事を楽しむうえで、特に大切にしている心得です。